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2006年初頭、私がALFP応募した時は、カトマンズの新聞の締め切りから逃れるのが主な理由でした。
その2か月のフェローシッププログラムは日本を知る良い機会でもあり、多分リラックスした観光も出来ると思っていました。
しかしそれは大間違いでした。
六本木のアイハウス(国際文化会館)に着き、数日間のオリエンテーションと講義を受けると、ALFPは休暇より遥かに多くのものを提供することが明らかに分かりました。
それは日本の歴史、文化、政治、経済を学ぶ機会だけでなく、そのネットワークとアジア地域の他の国々について学ぶ貴重な経験となりました。
その経験はアジア人としての私のアイデンティティを強化し、私の世界情勢に対する視点を変えました。
講義は集中的で、事前の準備をすれば、更に多くを得ることを直ぐに学びました。
講師はみな広い世界観と経験を持つ一流の学者や専門家で、概して日本人とアジア人であることの意味について考える時間になりました。
ALFPの最も魅力的な点の一つは、その会場です。アイハウスは都会の真ん中にある穏やかで調和のとれたオアシスです。
図書館の広い窓からは庭を眺めることができ、ネパールの紛争についての私の最初の著作をこの素晴らしい環境で執筆することが出来ました。
そして私は殆どの自由時間もここで過ごしました。この静かな雰囲気がネパールに帰国後、すぐに出版できる原稿を完成させてくれました。
他のALFPの魅力は、東京を離れた地方へのフィールド・トリップでした。特に私が感銘したのが沖縄への旅行です。
個人的にひめゆり平和祈念公園では大変感情的になり、心が動かされました。
この経験は私にネパールでも同様の平和博物館をつくる取り組みにむかわせています。
Nepali Times・Himalmedia社編集責任者 クンダ・ディクシット Kunda Dixit ネパール |
コロンビア大学でジャーナリズムの修士号を取得後、国連本部付き記者としてBBCワールドサービスに勤務。その後、マニラに拠点を置く通信社Inter Press Serviceのアジア・太平洋地域局長として、主流メディアでは取り扱われないニュースの取材・編集に携わる。ディクシット氏が率いるHimalmedia社は、その専門性と誠実な報道姿勢で評判が高く、最近の緊迫した政治情勢の中でも、ネパールの報道の自由と民主主義を擁護するために重要な役割を果たした。主著であるDateline Earth: Journalism As If the Planet Mattered (Manila: Inter Press Service, 1996)は、環境・開発問題について有意義な報道をするための指南書として、世界各国のジャーナリズム学科で使われている。 |